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2011/2/10(木)
第4回公共調達適正化研究会(平成23年2月8日)
平成23年2月10日 建設工業新聞

全建総連
労務単価の抜本改善要望


公共調達研ヒアリング
脇氏「市場任せでは済まない」




公共調達を適正化するための新法制定を目指す超党派国会議員による「公共調達適正化研究会」は、8日に開いた4回目の会合で全建総連と国土交通、厚生労働両省の意見を聞いた。全建総連は、公共工事設計労務単価を抜本的に改善し、建設労働者の賃金を適正に確保するよう要望。脇雅史参院議員は労務単価の設定方法について「単純に市場に任せるだけでは済まない。建設産業の実態を見てバランスを取る必要があり、皆で知恵を絞らないといけない」と理解を示した。

全建総連は、公共工事の減少が過当競争を生んだ結果、低価格受注が横行し、そのしわ寄せが労働者の賃金引き下げにつながっていると指摘。公契約法など公共工事に携わる労働者の賃金を下支えする制度の創設や退職金制度の充実、設計労務単価の抜本的な改善を求めた。

特に設計労務単価については、現行の労務費調査に基づいて算出する単価に、適正な生活費と技能水準に応じた加算を行う仕組みを提案。さらに、算定・公表された労務単価の支払いに対する元請業者の努力義務や賃金の下限額を法律や条例で定めることなども求めた。

厚労省と国交省はそれぞれ、建設労働者の賃金水準の実態と、設計労務単価の調査方法や推移などを説明。国交省の大森雅夫建設流通政策審議官は、建設産業の再生策を議論する同省の有識者会議「建設産業戦略会議」などでも、労務単価の設定が検討課題の一つになっていることを明らかにし、「ダンピング対策を徹底することは建設産業の将来を担う若手技能者の確保・育成の上でも重要」と指摘した。

大森審議官はこのほか、入札契約制度の見直しの一つとして、構造物の維持管理業務を複数年契約で発注する仕組みを検討する必要があると指摘。これに対し脇氏は「不正が起こらないような工夫をし、維持管理業務などを地元の組合などに請け負わせるようなやり方を考える必要がある」と強調した。

同研究会は来週中に土木学会などへのヒアリングも行う。得られた意見や提案を参考に新法案をまとめ、議員立法として今国会への提出を目指す。