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2010/12/28(火)
公共調達適正化研究会(平成22年12月28日)
平成23年1月5日 建設工業新聞

公共調達適正化
通常国会で議員立法


超党派研究会が始動
予定価格の上限拘束見直し



 「安ければよい」という公共事業市場の誤った風潮を打破しよう−。会計法や地方自治法が定める予定価格の上限拘束性を見直し、公共調達を適正化する法案を議員立法で制定することを目的に、超党派の勉強会が動き出した。民主、自民、公明、みんなの各党の参院議員11人が「公共調達適正化研究会」を昨年末に旗揚げし、活動を開始した。入札時の積算価格にある程度の幅を持たせ、受・発注者の対話を経て契約を行うといった新たな調達手法を検討する方針で、今月末にも召集される通常国会に法案を提出することを目指している。


 参院国土交通委員会のメンバーを中心に、公共調達のあり方に問題意識を持つ議員が党派を超えて研究会を組織。昨年12月28日に初会合を開いた。冒頭、あいさつした自民党の脇雅史氏は、現在の公共調達の問題点を指摘し、その改善を図るには政党の枠を超えて取り組む必要があると指摘。さらに「公共調達の買い手は役所であり、市場は買い手と売り手のやり取りで成立する。国はプレーヤーだということを忘れてはならない」と強調した。


 初会合では、国土交通省の担当者が建設産業や入札契約制度、建設労働者の概要を説明し、質疑が行われた。国交省の報告によると、地方自治体発注工事の入札では、事前公表した最低制限価格に応札が張り付き、くじ引きで落札者を決定しているところも少なくない。こうしたケースでは市場原理が働かずに、赤字でも工事を落札せざるを得ず、地方の建設会社の多くが倒産の危機にさらされているという。


 同研究会が目指すのは、会計法、地方自治法にとらわれない公共調達の新たな仕組み。予定価格の上限拘束性を見直し、積算価格にある程度、上下の幅を持たせて契約する、あるいは技術的難易度の高い工事については、過程をオープンにして買い手と売り手が対話を行い、ある程度価格が高くても品質が高ければ契約するといった調達の仕組みを探る。設計労務単位についても、仕事がある時の瞬間風速的な価格ではなく、仕事のない時も含めた年収の実態を反映した労務単価のあり方を研究する方針だ。


 初会合後に記者会見した自民党の佐藤信秋氏は、「(今月中にも召集される)通常国会中に法案を作ってしまいたい」と述べ、それぞれの党内手続きを経て、議員立法で通常国会に法案を提出したいとの考えを示した。


 このため今週中にも次の会合を開き、請負者からヒアリング行った後、来週中にも3回目の会合を開いて各省庁に疑問点をぶつけ、法案の取りまとめを急ぐという。


 研究会の参加メンバーは次の各議員。


 ▽民主党=羽田雄一郎、藤本祐司、川崎稔、米長晴信▽自民党=脇雅史、吉田博美、佐藤信秋▽公明党=魚住裕一郎、長沢広明、横山信一▽みんなの党=上野ひろし。