177回国会 参議院国土交通委員会 第6号
2011年4月12日(火)
 

本日の会議に付した案件
◇政府参考人の出席要求に関する件
◇国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
(災害復旧事業、応急仮設住宅及びがれき処理に対する国庫負担に関する件)
(東日本大震災による観光産業への影響と対策に関する件)
(観光振興のための情報発信の必要性に関する件)
(災害時の通信・観測におけるバックアップの必要性に関する件)
(我が国船舶に対する放射能検査等の現状に関する件)
◇関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律案(内閣提出)
◇航空法の一部を改正する法律案(内閣提出)

佐藤信秋君

佐藤信秋

自由民主党の佐藤信秋でございます。

冒頭に、今回の大震災、津波でお亡くなりになられた皆様と被害に遭われた皆様に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

また、これからは元気で復旧復興に向かっていただかなければいけませんので、そうした点も踏まえて質問をさせていただきたいと思います。

冒頭に、五月号の文芸春秋に、この震災で一生懸命やっておられる方々、自衛隊や地方整備局の人たちの記事が載っておりました。その中で、大畠大臣が、とにかく人命救助第一と、こういうことで、徹底的に実行するようにという指令を出しておられる。私もつくづくそう思っておりまして、とにかく国が責任取るんだと、後のことをあれこれ考える前に行動しろということが一番大事なことかなと、こういうときにですね、と思っているんですが、大臣の御指示の内容を具体的に、国民の皆様にちょっと安心していただくために、少しかいつまんで、どんな御指示をなさったか、お伺いしたいと思います。

国務大臣(大畠章宏君)

ただいまの御質問でございますが、私も三月十一日に夕方、第一回の国土交通省としての対策会議を開いたときに、徳山東北地方整備局長とテレビ会談等でいろいろと情報をお伺いいたしました。

その中で、私がまず脳裏にあったのは、私はこの東京にいるわけでありますが、現地を知っているのは東北地方整備局の徳山局長を始めとして三千人を超える局員の皆さんであります。したがって、徳山局長には、まずは人命救助を第一主義でいってほしいと、必要なことについては私に代わって判断していただいて結構ですと、それから予算等についても考えなくて結構ですと、後から何とかしますから、とにかく人命救助を主眼に置いてまず行動していただきたいと、こういうお願いを申し上げました。徳山局長からは、分かりましたと、全力を尽くしますと、こういうことでありますが、たしか当時、あの局員の中にも自ら被災をし、そして家族の安否も分からないと、こういう職員の皆さんもおられましたが、まずは職場に駆け付けて、国土交通省としての職員としての責務を果たすために全力で当たっていただきました。改めて御礼を申し上げたいと思います。

そこで、徳山局長からは、人命救助のためにはまずは救助隊といいますか、被災地に対しての救助の方々が入るための道路の確保が必要だと、こういうことで道路確保に全力を投入していただきました。さらには、飛行機でその救援隊が入るところでありますから、飛行場はどうなっているのか、あるいは鉄道はどういう状況にあるのか、あるいは港はどういう状況なのか、徐々にここら辺が分かってまいりましたが、いずれにしても道路の通行可能な状況にするためにありとあらゆる努力をしていただいたことは事実でございます。

そういう状況の中で、改めて、自ら被災をしながら、そして家族の安否をよく確認できない状況の中でも頑張っていただいた東北地方整備局、運輸局の皆さんには心から感謝を申し上げたいと思います。

以上でございます。

佐藤信秋君

その場合に、誰の管理の道路であるとかいうことは気にせずに、とにかく、くしの歯作戦というんですか、とにかく開けろと。あるいは、市町村へ、リエゾンというんですかね、連絡役をそれぞれ派遣したと。私も現地の方に行きましたが、市町村にそれぞれ二人ずつぐらい県も含めて行っていて、いろんな何が不足、かにが不足という点について、あるいはどうしてほしい、こうしてほしいという要望を承りながら、市町村長じかに、随分よく機能したなとつくづく思っておりますので、大臣の指示がいかに適切であったかということだろうと思っています。感謝を申し上げております、地元の人が、皆さんが。

そこでなんですね、そこでそろそろ補正も組んでいかなきゃいけないと、こういうことだろうと思います、新聞記事等ではいろいろ出ていますけれど。これはお願いなんですけど、お手元にも資料をお出ししてありますが、いわゆる公共事業費なるものが去年一八・三%、今年は一三・八%、交付金入れても五%減と、合計しますと三割減近いという状況の中で、これ以上公共事業費そのものを削って災害復旧費なりなんなりに捻出するというんじゃなくて、阪神・淡路大震災のときにも三度ほど補正しておりますよね。ですから、まず補正、手を打つべきところに手を打って、そこで何が不足かということを見ながら更なる補正を考えていくと。財政状況厳しい、これは分かりますが、日本全体の経済を回していくということも考えながらおやりいただくということが大事なことだと思いまして、その点について大臣にお願い申し上げたいと思います。よろしく。

国務大臣(大畠章宏君)

御指摘のように、今回の東日本大震災の対応のために優先すべきはやはりこの震災対策に力を入れると、こういうのは当然でございまして、じゃ、予算をどこから持ってくるのかと、こういう話になってまいりまして、御指摘のように、この公共事業費、施設費等における予算の五%を一つのめどとして執行を一旦留保して被災地の復旧復興に重点化を図ると、こういう方針が示されました。御指摘のように、私自身も、この公共事業というものの社会的な認識というのが非常に大きく三・一一以降変わってきたと思います。それは、防災というものは非常に大切な一つの方針である、政策であると、こういう認識を持っていただいたと思います。

したがいまして、御指摘のように、今回、五%程度を一つの留保すると、こういうことで予算を集めて東日本大震災の対策に充てますけれども、しかしその留保するという中で、いわゆる、じゃ、西日本の公共事業はどうなるのかと、こういう御指摘だと思いますが、国民生活の安全、安心にかかわるものについては除くと、こういうことになっておりますから、一つは、西日本の公共事業においても単に五%削るんじゃなくて、安全、安心にかかわるものについてはしっかりと執行すると。それから、今後の状況において必要なものについては、公共事業において、防災あるいは地震対策、津波対策等も含めて改めて総見直しをして、そのような分野についての公共事業についてはしっかりやっていくと、こういう方針で国土交通省としては臨みたいと考えているところであります。

佐藤信秋君

佐藤信秋

そこで、実は今私がお願い申し上げたのは、既に予算全体が二十三年度当初分でいうと五・一%はマイナスと。そこからまた五%保留するというようなことだと、一割保留になってしまいますよね、一割削減。これだけは駄目ですよと。元々、民主党のマニフェストでは、公共事業費一・三兆、四年間で切るよと。これを一年目で切ってしまったわけですね、一年目で。二十三年度はそこから更に、五%ですから三千億ぐらいですかね、予算上は切って、そこからまた、この災害があったからというのでそこから更にまた切るよということでは、これは今度は災害の予防の方、防災の方が手が入りませんよ、それだけはやめてくださいねと。むしろ、そういう災害予防、防除というようなことをベースに考えると、今後の補正で増やしていってくださいねと、こういうお願いをしておりますので、ここはもうお願いで、よくよくお分かりいただけることと思います。

それと、大臣のお話の、とにかく国が責任持つよ、大臣が責任持つよということが大変大事なことで、これは政府全体として本当はそれを言っていただきたいというのが、私は震災発生以来、今日で四度目の多分質問になると思うんですけれども、予算委員会、国土交通委員会、それから災害対策特別委員会ですね、四度目の質問になると思いますのでこれ以上答えは求めませんが、災害救助法適用の厚労省の清水局長もおられますし、それから今度は災害復旧法の方は、これはまた要求官庁としての国土交通省の役割も大変大事なところがありますので、その両方に、一定額以上の地方の負担が出てくる分というのは国が十分の十やらなきゃいけないですよと。

実はそこで、いろんなそごといいますか、どうしたらいいんだろうなという公共団体の戸惑いというのがたくさん出てきています。これは知事や市町村長に会えばよく分かります。一つ一つは申し上げません。ただ、少なくとも救助法、それから復旧法、激甚災害の国庫負担法と、このそれぞれが一定額以上、十分の十持ちますからと、いずれにしても国が責任を持ってちゃんとやるからというメッセージが本当は必要なんですね。今まで本当はどんどん出していただけばよかったんですが、大臣の先ほどの御発言のように。だけど、これからでも、今からでもそれを出すべきだというふうに思います。これは政府全体の議論なので、また予算委員会等で総理始め各閣僚にお願いしようと思います。四度目の質問なものですからね、これ自体はお願いなものですから。

ただ一点、災害復旧の国庫負担法の方。これは実は私も、あっ、あっ、あっと思ったんですが、国の直轄分の維持管理費を十分の十に去年と今年でしましたね。実は、それに伴って本当は復旧法の方も直轄の分は十分の十にしておかなきゃいけなかったんだと思うんですね。言ってみれば修繕の類いですから、災害復旧、元に戻すんですから。そこをやっていなかったというのが実はあれあれと。あのころはまあ法案審議そのものがほとんど、余りなかったというのもありますが、しかしながら、これは遡及適用ででもやらなきゃいけない事柄だろうと。論理的に当然そうなんですね。維持管理は地方負担なくしました、災害復旧だけ何で直轄の地方負担があるんですか。これは私も知事さんなんかと話していて、そんなもの当たり前だよねと、こう言われて、ああ、そうだそうだと、うっかりしていたなと、こういうことなんですが。

もちろん、災害復旧そのものといいますかね、激甚災害の方の規定に移して、復旧法の方のグレードも上げないかぬと思います、国の負担の割合。激甚災害の方はもうちょっと上げなきゃいけないなと、国の負担の割合をですよ。だから、百分の五十以下は今二分の一になっていますが、ですよね、激甚災害の負担の方の、地方の負担の。だけど、これは八割にするとか、標準地方税収の百分の百ぐらいになったら、それ以上は十割負担にするとか。これはもう何度も言いました。また、これは別の機会に言いますが。

災害復旧の国庫負担法の方の直轄の分というのは論理的に十分の十じゃないとおかしいかなと思うものですから、どうでしょうかね、担当局長。

政府参考人(関克己君)

お答えをいたします。

委員御指摘のように、いわゆる維持管理等あるいは修繕等につきましての費用負担については先般見直されておりまして、それぞれの管理者の負担で行うというふうにされているところでございます。

また、こういったものについて、国又は地方公共団体の災害復旧事業等の一環として行われる場合には、お話のように、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法にのっとって、費用の三分の二以上を一般的には国が負担し、当該災害復旧事業が激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づく特別の財政援助の対象となる場合には、更に国の補助率のかさ上げが講じられると。これは一般の災害復旧事業と同じような扱いになっているところでございます。これは、地方公共団体が実施する事業あるいは国が直轄として行う事業についてもこの地方負担分については同じ扱いになっているところでございまして、今回、三月十二日に激甚指定等がなされたということで、そういう意味では地方の負担というものを軽減する措置がこの中で、現行の制度においてとられるようになっているところでございます。

被災者の支援や今後の被災地の復旧復興に関し、この度の災害を踏まえ、国の取り得る政策手段を最大限に活用して地方の負担というものに対応していく必要があるというふうに考えているところでございます。

佐藤信秋君

というお答えを期待したわけでは全くなくて、維持修繕、二十二年度から、二十三年度から全額直轄の場合には国が負担しますと。復旧だけどうして取り残したんですか、同じじゃないですか、基本の精神は。それ、かさ上げすることはあっても、復旧の場合には一割下さいと、こういう議論になっているから、論理がおかしいですよ、気が付かなかったですね、お互いにと。だから遡及適用したらどうですかと、こういうことを言っているんで、これは検討してください。理屈の世界でそうするしかないと私は思っていますけど、大臣、副大臣、頼みますね。お答えがあるなら、済みません。

国務大臣(大畠章宏君)

現在の制度については先ほど河川局長から答弁をさせていただいたとおりでありますが、御指摘のように、正直なところ、今回の大震災で被災を受けた市町村あるいは県にしても財政的には大変困窮しているというのが実態だと思いますし、今の現状の制度というのが本当に妥当なのかどうかということについては私も再検討することが必要だと思います。

よく関係のところで十分検討をし、そして当委員会でのこの御発言等も踏まえて対処することが必要だと私は感じております。

佐藤信秋君

佐藤信秋

ありがとうございます。心強いお言葉であります。是非実行していただきたいと思いますが。

これは質問じゃありませんが、一言だけお願いしておけば、原子力の損害賠償の世界もある程度そういうことが言えるかなと思っているんです。制度上は、天変地異だったら国が全部補償はしますと、その真ん中に、地震、津波の場合には千二百億までこれは国が補償します、そこから先は事業者と話合いですと、こうなっているんですね。

ここは、どういう負担割合にするかという問題は別にして国が全部きちっとやりますと、それで事業者の、今回の場合には東電ですね、支払能力どれだけあるか、お互いの役割分担をどうするかということをやるべきであって、一旦そこをきちっと政府として言っていただくというのがやっぱり一番大事なことだろうと実は思っていまして、これは所管外という問題でもありますからお答えは要りませんが、是非政府の中ではそんな議論もしていただいて、国がやりますというところから国民に安心していただくという必要があるんだろうと思います。

次に、ごめんなさいね、ちょっと救助法の世界なんですけど。

応急仮設住宅そのものは、どんなふうに手配していくかというのは国交省の方である程度、手配計画といいますか、そんなことも含めてやっていただいている。ただ、全体像を考えると、これ非常に複雑ですよね、非常に複雑、仮設住宅だけじゃなくて。だから、救助法の世界を二枚目に付けましたけど、これはこれとして置いておいて、議論に必要になればここに来ますけど。

三枚目、勝手に私、書いてみたんですけど、資料の三と書いたものなんです。

災害が起きたら避難所へ行かれる、あるいは自宅で壊れそうなんでどうしようかなと、ここから直接公営住宅等の借り上げに行かれる方もおられるかもしれません。それから、国交省の方で御手配いただいていますが、厚労省と一緒になってですね、場合によっては旅館、ホテル等で避難所としてお使いいただいてもいいですよと。そういう状態の中から復旧復興の段階に入ってくると、自力再建あるいは防災集団移転であるとか、公営住宅に入るとか、自力再建できる方がたくさんおられればいいんですが、これがなかなか今回にわかには、津波にさらわれたところは、さて、家、戻して建てようかといっても地籍分からない、だからちょっと時間が掛かるだろうと、こういう問題があります。

こういう中で、じゃ、仮設住宅お急ぎですよね、お急ぎですが、こういう類型、例えば遠隔地の旅館等に行かれたときに、ここ避難所ですよと、あるいは遠隔地でなくても一緒ですよね、避難所、長い間おられる、あるいは公営住宅を取りあえず借り上げていただいておられる、こういうときに、それぞれが費用負担と、こういう問題が、原則が出てくるんですね。入られる方に全部大丈夫だよと、こういうところまでもちろんやっていただきたいんですけど。

それで、これどうなるんでしょうかねというんで、やっぱり多少手が鈍っている部分があるんですね。例えば、応急仮設住宅でいうと、一般基準は一戸当たり九・五坪平均だとすると二百三十八万ですよね、たしか一般基準、去年の四月一日だと。それで、伺うところによると、やっぱりこれは三百五十万から四百万ぐらい掛かるんじゃないかと。差額どうなるんだろうと、こういう問題があるんです。

それから、プレハブだけじゃなくて、大急ぎですから、国交省の方で三万戸を取りあえず二か月手配しようかと、こう言っておられるんですが、三万戸実際にできるかどうかという問題と、それからそれ以上に、みんな待っているんで、半分は二か月間待ってください、その後また三万戸用意しますからというんでは、現地では何で俺が待たなきゃいけないのと、こうなるんですね。私もおととい行ってきましたけど、いろんなところで五百戸欲しいんだがまだ五十戸しか手当てができていないとか、土地はあるんだけど手が付いていないんですよとか、それはそれで努力していただかなきゃいけないんですが。

やっぱりそういう中で、これちょっとトレンディアルな問題になって恐縮なんですけど、局長、いつも来ていただいて済みませんね。九・五坪、二百三十八万円という標準というものは、では超えた分、大体百五十万ぐらい超えそうだといって心配するわけですよ、初めてやるもんですからね。そういうのは費用の面ではどうなるんでしょうかね。

政府参考人(清水美智夫君)

御指摘のとおり、応急仮設住宅の平成二十三年度の一般基準額は二百三十八・七万円ということでございます。しかしながら、今回の大震災の被災地は寒冷地ということがございまして、断熱材を入れたり、あるいは積雪の補強といったようなことが必要になってまいります。それが一点。また、高齢者・障害者対策としてバリアフリー化など特別な仕様、こういう経費も追加するといった必要もあろうかと思います。これが二点目。三点目といたしまして、需給状況、これもやはり考慮しなければいけないというふうに考えてございます。このようなものを考慮いたしまして、私どもとしましては適切な特別基準を設定してまいりたいと考えてございます。

いずれにしましても、厚生労働省といたしましては、国土交通省を始めとして関係府省、それから実際に実施主体でございます都道府県と十分相談しながら、被災者の方々のニーズに可能な限り応じられますよう、応急仮設住宅に関する取扱いを柔軟かつ適正に行ってまいりたいと考えてございます。

佐藤信秋君

柔軟にやっていただけると大変有り難いお話なんです。ただ、今寒冷地というお話ありましたが、寒冷地適用というのは沿岸部の方の、宮城ぐらいまでは沿岸部多分ないと思います、寒冷地適用。だから、そういうのを柔軟にというのは大変有り難いし、そのときに国土交通省は応急仮設住宅は引き受けましたと、こういう議論ですから、議論として、厚労との間も、そういう面も含めて安心して造ってくださいと、都道府県あるいは都道府県から委任を受けたら市町村でもできると、こういうことになっているわけですから、そこの部分をつないであげないと、戸数だけ用意しても駄目なんです。これは是非、質問にはしていませんが、住宅の方でそこまで踏み込んで厚労省と打合せしながらやってほしいと思いますし、もう一つは、こういう形態ですから、仮設住宅があり、大急ぎでこれはやらにゃいかぬ。しかし、取りあえず避難所。避難所の中にもいろんな形態がある。さらに、賃貸住宅の借り上げ等の問題。

それぞれの費用の負担というのは、実際の避難者の方の御費用の負担というのはこうなるんですよ、ほとんどなけりゃないでいいんですね、一番。そして、その中でまた国と地方の役割分担はおおむね、あるいは市町村との役割分担はおおむねこんな感じなんですよと。それを限りなく地方の負担をゼロにしてくださいねと、こう私は申し上げている。ただ、そこの負担割合が分からないと、じゃ二百三十八万円ですと、それに対して四百五十万掛かるんですといったときに、その超過負担の分を市町村なり県が持とうとすると、一戸当たり二百五十万ずつ持たされるのかというようなことだと、むしろ今度そっちの計算の方が表に出てきて、ああ困ったなと、こうなるんで、今の清水局長の弾力的にやりますよということは大変有り難いし、冒頭申し上げましたように、それは政府として、国がちゃんと面倒見るから、丸々全部、十割常にと申し上げているわけじゃなくて、一定額までは地方の負担若干あってもしようがないですよね。一定額以上になったらとても持てないし、救助法の世界でいえば、私、勝手に言っていますけれども、百分の六以上の被害額になったら、標準地方税収のですよ、そうしたら国がもう十分の十持ちますというようなところで整理していかないと、とても動けませんよね。なかなか動きが取れませんよね。それ、どのぐらいにするかは別にして、国がちゃんと面倒見るから安心して大いにやってくださいという、そこの部分を一つの例としてあれでやらせていただきました、住宅で。

これ大変複雑なんですね。特に、これから復興計画等を考えていかなきゃいけません。そのときに、元の位置に自力再建できるか、旧あった自分の自宅地ですね。残念ながら津波でさらわれているという状態の中で、それじゃどういうふうな町づくりに戻していくんだろうというときに、仮の住まいの在り方と、恒久的な住まいといいますか、どういう町を用意するかと。これは、今回ほど今のうちに考えて、みんなの意見集約して、市町村長が実行主体になると思いますが、こうしましょうよというんで住民の理解を、コンセンサスを形成していくというのが必要なんですね、今から。非常に複雑なケースになりますからね。

ですから、是非そこのところは、今度は国土交通省と厚労省とよくよく連携取りながら、実はこれは内閣府も一応関与するわけですが、お任せしていても進みません、当然のことながら。救助法は厚労省が持ち、それから住宅政策は、あるいは町づくり政策は国土交通省が持つ。そういう中で、実行行為は市町村長が大急ぎでやっていかなきゃいけないし、それは間を取るのがといいますか、救助法の世界でいえば費用負担をするのは県だ、こういうことになっているわけですから、よっぽどそこをつないでいってあげないとうまく移行ができないという、あるいは緊急対応ができないと、こういう問題だと思いますので、とにかく国がちゃんと責任取るよというような形で是非お願いしたいと思います。

多少時間がなくなってきましたんで、そういう中で、実は津波のこの被災という点からいくと、沿岸地で工事やっていた、工事は。重機がみんな一緒に流されているんですね。それで、公共工事で工事やっていたんですが、重機流されて、契約約款の二十九条で重機の損害ぐらいは補償してもらえるかと思ったら、約款上、こう付けましたけれども、約款上はレンタルなんかで弁償するようなことはできませんよと、損料ですと、こうなっていますよね。

だから、多少誤解していた面があって、重機は何とか、公共工事でやっていたら不可抗力で弁償してもらえるかなと思ったりしていたら、そうじゃないと、こういうものですから、ちょっとこれは大変だなということになっていますんで、これは是非検討、一言だけでいいです、何らか検討できるのかどうかということをお願いします。

政府参考人(大森雅夫君)

お答えいたします。

先生今日資料として御提出いただいている請負契約書、この二十九条も確かに、この発注者、受注者のいずれの責めにも帰すことができない場合で、工事目的物の引渡前に工事目的物等に損害が生じたときには、請負代金額の一%を超える損害合計額を発注者は負担するという規定がございます。

これについては、もちろん建設機械についても適用はされるんですが、先ほど先生御指摘になったように、その機械の購入額とかそういうものを対応するわけではなくて、いわゆる損料ということになっていることは事実でございます。

我々としては、被災地における復興復旧の担い手である建設企業がその役割を十分に果たしていけるようどのような対応が可能なのか、十分検討してまいりたいというように思っております。

佐藤信秋君

これから下水道が大変なんですね、今。これから暖かくなってくるとなおのこと、これ大変なんですね。簡易処理施設みたいなのが必要になるんだろうと思います。本格復旧を早くやる、これはそうですからね。査定がどうだって余り難しいことを言わずに、とにかく機能を復旧させようと、それもできれば従前機能以上に復旧させておかないと、またもう一回来たらというのがありますから、そこは行く行く、よくよく相談しながらやっていただくことにして、手続はどんどん早くやらなきゃ駄目だと思いますけど。

その前に、応急、簡易でちゃんと処理した下水にして海に流さないとちょっと怖いなという問題が提起されていますし、そういう応急面での下水処理、これについて、恒久復旧はもう大急ぎでやってください。だけど、応急に海に流している分といいますかね、そこの処理を、応急処理を急ぐ必要がありますねとつくづく現地で思いますが、一言。

委員長(小泉昭男君)

加藤都市・地域整備局長、簡潔にお願いします。

政府参考人(加藤利男君)

お答え申し上げます。

先生の御指摘のとおりだと考えております。下水処理場も十九か所被災を受けましたけれども、これらの処理場のうち汚水の流入がある十一か所につきましては、仮設の沈殿池を用いて沈殿処理をして、その上澄みを消毒処理をいたしまして簡易処理という形で流している、あるいはバキューム車で他処理場へ運搬、処理を行うといったようなこともやっております。

ただ、御指摘のように、何というんですかね、水質の面からすれば、この簡易処理についても水質汚濁防止法の排出基準が守れるよう私どもとしても技術的な助言をする、それと必要に応じて、これも先生が御指摘いただきましたが、簡易処理レベルの向上が図られるように今後また恒久復旧に向けて早急に、早期にその取組が始められるようにできる限りの支援をしていきたいというふうに考えております。

佐藤信秋君

ちゃんとやっていただかなきゃいかぬと、こういう問題で。暖かくなってきますから大急ぎで、そんなにゆっくりしていられない問題だと思っています。

それから最後に、瓦れき処理がこれからまた本格的にやらないかぬのですが、ちょっとよく分からないので資料の方ちょっと書いてみましたけど、瓦れきの処理なるものは誰がどれだけの負担を実行するのか、費用負担していくのかというのがどうもちょっと私の頭の中には十分整理し切れない。

そこで、災害救助法で処理する瓦れきは何なのか、廃棄物処理法で処理する瓦れきは何なのか、あと公物管理法は何に基づいて瓦れき処理するのかというようなことが、一言ずつ教えてくれますか。

政府参考人(清水美智夫君)

災害救助法でございますけれども、災害によりまして土石とか流木などが住家に流入してそれを除去しなければ居住が不可能である場合など、日常生活に著しい支障を及ぼす範囲、そういうものにつきましては法に基づいて障害物の除去の対象になるところでございます。

運用につきましては、現地におきまして環境省の補助により行われる災害廃棄物処理事業とできる限り一体的運用が可能となるよう私どもも配慮してまいりたいと考えております。

佐藤信秋君

続いて。

政府参考人(北村隆志君)

公共施設の関係でございます。

国交省関連の公共施設でございます道路、河川、港湾におけます瓦れきの処理につきましては、施設の被災状況ですとか瓦れきの状況に応じまして、道路法、河川法、港湾法に基づきまして国又はそれぞれの施設の管理者によって維持管理の事業か、又は災害復旧事業によって行われます。

費用の負担につきましては、先ほど佐藤先生からもございましたけれども、維持管理として管理者が行う場合には管理者の負担で行うということになっております。また、国又は地方公共団体の災害復旧事業の一環として行われる場合ですが、先ほどもちょっとございましたが、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づきまして費用の三分の二以上を国が負担する、そして今回のような激甚災害に該当します場合には激甚災害法に基づきまして更に国の補助率のかさ上げ措置が行われるというのが現行制度でございます。

我々、いずれにしましても、瓦れきにつきましては、被災者の方々のため、またこれからの復旧事業などを円滑に行うためにも早期に処理することが非常に大切だというふうに思っておりまして、関係省庁と連携を取りながら一日も早く状況の改善に努めていきたいというふうに考えておるところでございます。

以上でございます。

政府参考人(伊藤哲夫君)

廃棄物処理法におきましては、市町村が一般廃棄物の処理責任を統括的に有していると、こういうことになっておりまして、災害廃棄物については基本的には市町村により処理されると、こういうこととなっております。

国が市町村に対し、災害により特に必要となった廃棄物の処理を行うために要する費用の一部を補助することができるということとされておりまして、今回の震災では必要なかさ上げ等も実施してまいると、こういうことにしております。

佐藤信秋君

佐藤信秋

ということなんですね、実際に現場に行っていただくと、一次処理は、じゃ、こことこことここに仮置きしましょう、二次処理は場合によってはこれから焼却炉を造ってでも処理していかないといけない。

このごみの種類、廃棄物の種類は分けられません、しまいの果てに。もちろん、自動車なんかどうするかとか、廃船どうするかとか、個別にやらなきゃいけない問題もたくさんあります。これをまとめてやっていこうとすると、地元で協議会をつくりながらやっていると、こういうお話ありますが、結局のところは、国がきっちりと責任持つからみんなで仲よくといいますか、しっかり協議して大急ぎでやれるようにしなさいと。これ、かなり大掛かりな瓦れき処理の仕組みといいますか、瓦れき処理計画がそれぞれの地域で必要になります。

市町村長の事務と、こういうふうにおっしゃったけど、今災害を受けた市町村、これできません、できないと思ってください。県ができますか。県は、今度は救助法の世界。もちろん、廃棄物処理の方は引き取りますと、これでいいんですよ。だけど、県だってそんなたくさんの箇所の廃棄物処理計画をきちっと大急ぎでというにはなかなか大変です。これは国も入って、国の出先の機関も入ってでいいと思うんですけど、きちっとみんなで費用を気にせずに、これ費用を誰が持つかという、そういう話をし始めると切りがなくなるんですね、これ。いや、やっぱりそれは私じゃなくて、うちじゃなくてと、こうなりますから。

何はともあれ、みんなでこれ処理するためにどうするか。費用負担の細目は後で考えようかと。みんなでとにかく一緒になって、瓦れきの処理、こういうふうにしていきましょうという計画を作り実行するまでは一緒になってやらなきゃいけない、つくづくそうでないとできないと思いますので、最後にそれをお願い申し上げまして、時間ですので、よろしくお願い申し上げて終わります。ありがとうございました。